下肢ステント治療における次世代基準:BioStealth™
Clinical Focus
社会的課題:2億人が直面するLEADとCLTIの脅威

下肢閉塞性動脈硬化症(LEAD)は、高齢化が進む現代において全世界で2億人以上が苦しむ深刻な社会問題です。この疾患が進行し、安静時の痛みや難治性潰瘍を伴う「包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)」に至った症例では、下肢切断という極めて高いリスクに直面します。
膝下(BTK:Below-the-knee)領域の血行再建は、この切断を回避し、患者様のQOLと「歩く未来」を守るための最後の砦です。しかし、BTK領域は既存治療での長期予後が極めて悪く、現代医療における最大のアンメット・メディカル・ニーズの一つとされています。

膝下領域の動脈硬化症治療は困難を極めている
現在、BTK(膝下領域)の治療では従来のPTA(バルーン治療)が主流ですが、この領 域では術後3ヶ月以内の再狭窄率が73%に達するという報告もあり、長期的な開存率の維持が極めて大きな課題となっています。
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DES(薬剤溶出性ステント)の課題: 小口径かつ血流量の少ない膝下血管において、ステントという「異物」の永久留置は、慢性的な炎症や血栓形成のリスクを内包しています。
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DCB(薬剤コーティングバルーン)の課題: 血管解離や重度の石灰化症例に対して、物理的な支持力(Scaffolding)を持たないバルーン単独の治療では、十分な初期成功と長期開存の両立が困難です。

ステント治療の歴史に
BioStealth™という
新たな答えを。
開発思想の転換:Leave nothing behindから
Leave the "Right" thing behindへ
血管内治療におけるステント歴史は、1990年代のBMS(金属ステント)による血管内腔の物理的な拡張保持というコンセプトからはじまりました。その後、ステント自身の存在をトリガーとする血栓形成とそれに連なる平滑筋細胞の過増殖を中心にしたステント留置後再狭窄という課題に対し、DAPT(抗血小板薬 2 剤併用療法)とDES(薬剤溶出性ステント)による再狭窄抑制へと進化してきました。
近年、SFA(下肢の浅大腿動脈)領域を中心に「Leave nothing behind(LNB:何も残さない)」という理想を掲げ、薬剤コーティングバルーン(DEB)などを用いた治療がトレンドとなっています。しかし、物理的な保持力が必要な症例において、私たちはその一歩先を見据えています。
血管を物理的に支持しつつ、身体に限りなく馴染む「正しいもの(Right)」を、適切な形で留置する。それがGlobal Vascularが追求する次世代のスタンダード、「Leave the "Right" thing behind」という思想です。

BioStealth™ がもたらす生体親和性と物理的支持との融合コンセプト
私たちは、これまでの「異物を残さない(Leave Nothing Behind)」という概念を一歩進め、「最適なものだけを残す(Leave the "Right" thing behind)」という新たな設計思想を提唱します。その核心となるのが、独自のバイオマテリアル技術 BioStealth™ です。
BioStealth™を構成する3つのコアテクノロジー
BioGradia™ Technology
独自のコーティング技術により、高い抗血栓性と内皮細胞親和性の両立を追求。血小板や血栓の付着を抑制し、早期の内皮化を促すことで、ステント留置後の良好な血管内腔の維持を目指す技術です。
数カ月間にわたる薬剤徐放設計により、急性期の平滑筋細胞の過増殖抑制を図ります。ポリマーが徐々に消失した後は、最表面がダイヤモンドナノコーティングへと移行し、長期的な生体親和性の確保を意図した設計です。
下肢領域特有の複雑な変形に対する柔軟な追従性と、血管を支える十分な拡張力を両立。血流への影響を低減することを目指した超薄型設計により、理想的な血行動態の維持に寄与します。
ダイヤモンドナノコーティングによる抗血栓性と内皮化の促進
生体吸収性ポリマーとシロリムスを用いた薬剤徐放層
ThinForce™ Technology
薄型ストラットと高ラジアルフォースを両立したプラットフォーム
BioDiamond™ Technology

開発プロジェクト
BTK(膝下動脈)向けBioStealth™ステント
2000年代から続く基盤研究、応用研究を終え、概念実証と詳細設計を完了しています。2024年には日米における主要な非臨床試験を完了させ、2026年現在では、東海大学医学部をはじめとした医療現場にて、臨床試験を実施しています。

SFA(浅大腿動脈)向けBioStealth™ステント
BTKステントにおいて研鑽した技術をもとに、詳細設計等の開発中フェーズです。
開発品イメージビデオ:BioStealth™ステント
※本ページに記載されている技術および製品は現在開発中であり、日本国内において薬機法上の承認を得たものではありません。記載内容は開発思想や研究段階のデータを基にしたものであり、将来的な臨床効果を保証するものではありません。